田舎の冬は
トンネルを抜けるとそこは雪国だった
長野県中野市、ここはすごく不便です。
長野県北部は、北に行くにつれ雪が激しくなり、新潟に行く際はあたりに雪の壁ができるほどの豪雪地帯です。
田舎の冬はとても寒いです。身体の芯から冷えきってしまうほどの寒さ。
歩道の雪は積もりっぱなしで、雪の絨毯のようになっています。
スノーブーツの中にすら雪が入ってしまうくらいの雪が、毎日降るようになってしまいました。
わたしは少し前から、この豪雪地帯を自転車で通勤しています。
サクサク、モサモサという音をたてながら、じわりじわりと体力を奪ってゆく厄介な雪、そして寒さ。
でも、とても静かで、明かりもまばら。
窓から眺める景色は、落ち着いていて良いものなのですがね。
会社からの帰り道、スーパーに寄って買い物していたら、女子高生たちのこんなひとこと
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こないださー、釣りにいったんだよね
釣るからうまいんだよ魚は
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という会話。
長野県は海なし県ですが、大きな川があちこちに流れており、そういったスポットは多いです。
ずいぶん粋な女子高生だなと思いながら、帰宅したことを覚えています。
私は、田舎だからとか、都会だからとかいうのはあまり好きではありませんが、これだけはいえます。
田舎のほうが確実に不便です。
電車賃はバカみたいに高いし、コンビニやスーパーも4〜5kmおきにしかありません。
おまけにこんなにも冬はきびしく、かといって夏が快適かといえば、そうでもない。
これは、上京しようと考えている田舎の若者の気持ちもわかります。
でも、不便だからこその良さもあります。
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それは、生きていればいいという実感。
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現代ではあまりに多くの選択肢があふれ、答えに迷った結果、余計な悩みを抱えやすくなっています。
人間誰しもがそうですが、それは、社会がより高度になったことで、それぞれが「個」を持ち、高い理想を描くようになったからだと思います。
理想もまた、人間が生きる上では欠かせないものだと思います。
しかし、それに追われすぎているとき、自分を見失うこともあります。
時間に余裕を持ち、自宅からも少し離れたスーパーで買い物することが、最近の楽しみになりつつあります。
まるで薄っぺらい人生観かもしれませんが、それによって、自分自身が見えてきたという部分もあるのです。
都会の喧騒よりも、落ち着いて自分自身を見つめなおすことができる環境が、田舎にはある。
そう考えるとどうでしょうか?
田舎も悪くないような気がします。
でも、都会、あるいは海外とかに行ってみたいですね。正直。
入れ替わりにだれかおいでよ田舎!!!
全国の田舎に、もっと人が集まりますように。